新橋の鮮魚料理店オーナー様より電話がありました。「社長お願いだからカウンターの繋ぎ目を直して」とのお話です。どうも電話では様子がはっきりしません。見てみないと分からないから、とにかく見ましょうということで、新橋まで行ってきました。
ここは新規開店のお店です。内装はオーナー様の意向で、すべて檜の無垢材を使っています。もともとは、当社が内装の白木にクリアー塗装する仕事でした。
カウンターも檜無垢材。汚れることを心配して、工場でポリエステル塗装した、既製品のカウンター用1枚板を発注したのだそうです。
これをL字形に現場で接いだのですが、反りを合わせるため、大工さんが表面を削ってしまいました。あとで塗れば大丈夫だと思ったらしいのです。
ポリエステル塗装したものを塗り替えるには、いったん塗料をすべて剥がし、下地から塗り直さなければなりません。特に檜の木目を生かしたカウンターですから、下地調整がことさら重要です。
オーナー様と施工手順について綿密に打ち合わせをしました。物は檜の無垢、かなり高額な木材です。失敗は許されません。しかも開店まで日にちがありません。正直焦りましたよ。
私の意見として、ちゃんとした料理店なら、カウンターは毎日手入れするはずだから、ポリエステル塗装する必要はないのではと申しました。
オーナー様も了解してくださり、工法としては檜の表面を、薄くディスクサンダーにて均一に削ることになりました。
下地調整中、この時点で必ず直ると確信しました。下地調整がやはり肝ですね。この作業がしっかりしていないとムラになります。
最後に白木用ワックスを3回塗って完成です。檜無垢の肌触りも完璧、ポリエステル塗装でこの味わいは出ません。板長さんも気に入って下さいました。美味しい料理を期待してますよ。
続いてお座敷(小上がり)床の施工です。この部分も檜無垢材です。汚したくないとのオーナー様の希望から、クリアー(エコ)をお薦めしました。
下地調整中、サンドペーパー♯800にて肌触りを良くしています。
クリアー(エコ)材料を、ローラー(短毛)にて配っている状況です。
その後に、白熊刷毛にて均していきます。この作業を3回繰り返して完成になります。
完了写真です。たくさんのお客様が靴下で歩いても、水拭きすれば綺麗になりますよ。
巾木完成写真。新橋という土地柄から考えて、黒い革靴のお客様が多いと判断しました。この部分は黒く汚れる事を想定してクリアー(エコ)にて塗装しました。拭けば落ちますからね。
これが、お店の看板です。新橋3丁目にあります。是非機会があれば立ち寄ってみて下さい。産地直送の美味しい魚ばかりです。私も趣味が海釣りなので今から楽しみです。
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