外壁塗装・屋根塗装、住宅塗装でパック料金や定額料金があるのはなぜでしょう? その塗装会社なり営業社員に、建物の状態に応じた塗装を診断し、料金を見積もる技術がないからです。
塗るだけなら誰でもできます。しかし建物の現況を正確に判断し、適切な住宅塗装の対処法と詳細な料金を算出、ご提案するのはちょいと難しい。知識と経験が必要な所です。
もし相見積もりをされるのなら、表面上の料金のみで決めてはいけません。どれくらい手をかけているか、施工する職人が塗装の知識と技術を持っているか、判断することが大切です。必要な材料費・人件費・工程を切り詰めた、格安塗装が横行していますので、十分に注意してください。
残念ながら、手を抜こうと思えばいくらでもできるのが塗装です。極端な話、工期と人手、材料を半分に端折れば、半額でも塗装ができます。その場合、塗装の耐久性が半分以下になるだけでは済みません。誤った塗装で家本体を傷めてしまう、本末転倒の事態になる可能性もあります。
塗装料金は塗料のグレード(値段)では決まりません。高機能で高価な塗料を使っているから、料金が高いということはありません。各塗料メーカーには、塗料の性能・耐久性を保証する、規定の塗布量・希釈率を定めた設計単価があり、それを守った施工なら大きな料金格差は生じないのです。
塗装料金の違いは上塗り前の工程と期間、すなわち手間賃と下塗り工程の差です。
一般の方が命綱を付けて屋根に上がったり、足場を組んで壁面の塗装をするのはあまりお勧めしたくないのですが、ご自分でやれば塗装費用はずいぶんと安く上がります。ホームセンターで塗料や用具を買ってDIYでやる場合と、塗装店に頼む時の塗装費用の差は5倍以上もあるのです。
塗料の値段はせいぜい、塗装費用の2割以下しかかからない。8割は手間賃・技術料です。なかでも大きな比重を占めるのは、下地調整の工程です。また、下地調整の手間の掛け方で、工期(=人件費)も大幅に変わります。この工程(手間と時間、つまり経費)を省いてしまうと、どんな高価な塗料を使っても本来の性能を発揮できず、塗膜も長持ちしません。
1軒1軒、それぞれの状況によって下地調整にかかる期間と費用(手作業のため、ほとんどが1日あたりの工賃)が異なるので、一律の料金表は作れません。
高圧洗浄ひとつとって見ても、むらなくきれいに汚れを落とし、しかも下地を傷めないようにする圧力調整は、経験が必要です。また高圧洗浄施工後の乾燥期間も重要で、完全乾燥後に塗装しなくてはなりません。
各工程ごとの乾燥時間を十分にとり、建材の種類に応じて下塗り塗料を塗り分ける等、当社の塗装工事は上塗り前の施工期間が長めになっています。この辺の丁寧な手間をかけた施工が、料金に影響することにもなります。
コストダウンしても利益が上がる秘密って何でしょう。人件費の安いアルバイトを使い、手間を省いて短期間で仕上げるしか方法がありません。やっつけ仕事で数をこなす、施工件数を増やすことですね。1軒1軒の工事を大事にしていたら、自社職人だけで年間数百件の塗装なんてできません。
塗装の特徴として、上塗りした直後では下塗りの工程が見えにくい。数年経って初めて手抜きが判明するというのが現実です。気づいたときはもう遅い、そんな塗装が横行しています。
調査・点検していると、前回工事が手抜き塗装であった案件は結構あります。以下にその事例と当社による補修施工の一例をご紹介します。
ベランダ笠木(鋼板)、規定の塗装回数をごまかした事例。錆止め・中塗り・上塗りと通常の手順を踏めば、この様な退色はしません。
広小舞(木製)が腐食しているにもかかわらず、その上から塗ってあった事例。広小舞は屋根野地板から形成され、腐食させると屋根工事が発生してしまいます。
当社施工事例。外壁ボーダーがサイディング外壁に被せてなく、コーキングでごまかしていたため、木製下地が腐食していました。新築施工時の瑕疵と思われます。
この上に塗装をすれば、ますます腐食が進みます。新規下地造りからボーダー(窯業系圧縮材)の交換をいたしました。
※手前どものお見積りでは、図面をお借りして(設計図書がある場合)詳細な積算表を作成、塗装費用を算定します。おおよその床面積から割り出すといった、いい加減などんぶり勘定はいたしておりません。したがいまして、料金表を掲載することができないのです。
田口塗装はお客様からご依頼があった場合、現地調査の上お客様のご要望をきちんとお聞きします。そして建物の状態とご予算に応じて、どのような仕様がよいかご提案します。極端な低単価ではまともな工事ができませんから、塗装の費用・塗料のグレードだけの価格競合は致しておりません。
(※特に格安塗装業者との相見積もりは、お断りします。田口塗装の価格は施工品質ですから、工数が増える分、工事料金は高めになってしまいます)
最終的に選ぶのはお客様です。お客様のご判断に対して、手前どもの方からとやかくは言いません。ご質問には、納得いただける様ご説明しますが、ご理解いただけないケースもありますので。
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