設計と施工、両方の瑕疵が原因で、ベランダ下の１階部屋に、漏水・浸水してしまった事例です。
建物の形状を見ると、ベランダとルーフバルコニー折衷のような形になっています。簡易な屋根を付けていますが、雨の吹き込みを防ぐことはできません。
防水・排水の点でかなり問題がある構造です。そのうえ、設計図面ではFRPでの施工となっていますが、実際は塩ビシート防水でした。


塩ビシートに浮きが見られました。立ち上がり部を5cm程度残してカットし、立ち上がり部にはウレタン防水をお奨めします。平滑面は全面撤去して長尺シート防水施工が必要です。剥がしたシートの下地にはウレタン層を一度塗らなければなりません。

ベランダ排水ドレン状況、丸く囲んでいる部分をドレンと呼びます。このドレンの不具合が今回の浸水の原因ではないかと考えます。端末部のコーキングに劣化や亀裂があります。
新規に改修ドレンを装着して、外側までL形に排水出来るよう工夫が必要と判断致しました。外側に露出するL形改修ドレンにはフードカバー（鋼板製）を付ける事をお奨めします。

ベランダ床、シート防水歪み部分下地調整施工中。

ベランダ床、シート防水歪み部分張り直し施工中。剥がれ部分をシート専用接着材にて張り直しました。

ベランダ床、勾配の取り直し施工中。12㍉のベニヤ使用。

ベランダ床、勾配の取り直し施工中。水を流し、勾配の確認施工中。

ベランダ床、プライマー塗布施工中。サラセーヌＰ使用。

ベランダ床、継ぎ目コーキング処理施工中。

ベランダ床、ウレタン層塗布施工中。サラセーヌＫ使用。

ベランダ床、側溝部の勾配取り施工完了。

ベランダ床側溝部、トップコート施工中。サラセーヌＴ・グレー使用。

ベランダ床、ウレタン層施工完了。この上から長尺シートを貼ります。

ベランダ床、長尺シート施工完了。最後に水をかけて勾配の確認を致しました。

ベランダ床、施工完了。