遮熱塗料の機能・性能と下塗り

屋根遮熱塗装のお客様からアンケート

とても説明が丁寧でわかりやすく、しっかり仕事して頂けそうという印象でした。今回は私たちの興味のあった「ガイナ」という塗料を扱ってないということで、見送らせていただきました。早い段階で方針を決められたら良かったのですが、長々と迷っていて田口さんにも申し訳なかったです。
不成約だったお客様からのお声です。当社のプレゼンテーションや誠意は最高の評価をいただいたのですが、ご希望の遮熱塗料の製品を当社が扱っていない点で、他社様に依頼したということでした。

遮熱塗料の特性と機能について

ご指定の遮熱塗料は、中塗り材に中空マイクロビーズを混入し、断熱性能を高めた製品です。宇宙ロケット発射時の耐熱という特殊な環境下に使うためで、建築用塗料に必要な長期にわたる、耐候性・耐汚染性を求めた技術ではありません。

当社がこの遮熱塗料を扱わない理由は、専用のプライマー(下塗り材)がないこと、水性塗料であることです。
近年は塗料の性能も進化していますが、当社の長年の経験から耐久性の面で屋根塗装に水性塗料はお勧めしていません。また艶有りに対してマットな仕上がりの塗料は、耐汚染性で不利であることも否めません。(マイクロビーズは艶消し用添加剤より粒子が大きい)

当社オフィシャルサイトのトップページにも書いているように、塗料の性能・耐久性は建材に塗布し塗膜となった時点のものです。缶に入った液体の状態は材料にすぎません。材料の特質が、そのまま塗膜の性能とならないのが塗装の特徴です。

遮熱塗料の耐久性能と下塗り材

とくに建材との密着性が塗料の性能・耐久性を大きく左右します。そのため下塗りが重要になります。経年劣化が見られる屋根には、浸透性・固着性に優れた下塗り材を使用して、下地を補強する必要があります。塗膜の耐久性は下塗りで決定するのです。
施工技術による塗膜の性能差も大きく、ご指定の遮熱塗料は微細なセラミック・ビーズが混入されているため、密着性と施工性に難点があるのも懸念材料です。一般に屋根遮熱塗装は塗り直しの際に行います。下地はかなり経年劣化が見られのが通常です。

当社施工例=棟押え鋼板部分は錆止め、カラーベスト面には浸透性の高い下塗り材、雪止めに非鉄金属用プライマーと、3種類の下塗りを施工しています。


当社が使用する遮熱塗料は、建築用塗料では国内最大手エスケー化研様の製品です。エスケー様の遮熱塗料は、住宅用に最適な遮熱性能と耐候性・耐汚染性を兼ね備えたものです。建築塗料の総合メーカーとして、仕上げ材に適合した下塗り材も自社開発しています。この点を信頼して、当社はエスケー化研様の遮熱塗料を採用しています。

違いは色だけじゃない。田口塗装の施工前と施工後

塗装前の写真と塗装後の写真を見比べると、とても同じ家とは思えないほどの変貌です。この違いは、色を塗り替えただけじゃありません。経年劣化の補修と、丁寧な下地調整・下塗りからの塗装の賜物です。

施工前


施工後


屋根の経年劣化はかなり進行しており、とくに棟押さえ板の錆が著しく、塗装が可能かどうか判断が必要でした。高圧洗浄後に点検したところ異常は見られず、下地調整と錆止めからの通常工程となりました。

施工前


施工後


外壁その他モルタル部に、ひび割れが見られました。当社では、弾性エポキシ樹脂を中圧注入し、ひび割れ補修の後、塗装しております。上辺を塗り隠すのではなく、家を甦らせる田口塗装の外壁塗装です。

モルタルひび割れ


モルタルひび割れ


スムースエポでひび割れ補修

協力施工店様による、クーラー移設・新規交換工事

今回ご紹介するのは、クーラーの移設・新規交換工事を協力施工会社の電気店に依頼した事案です。通常クーラー配管のテープは、外壁塗装後に当社で巻き直しています。外壁がきれいになると古いテープが目立ちますから。
専門の技術が必要な補修工事等は、パートナー施工店様にお願いしています。


2Fクーラー室外機移設完了

2Fクーラー室外機移設完了

2Fスリムダクト新規取付完了

2F室外機エアコンガス封入作業施工中。コンピュターチャージャー使用

2F室外機エアコンガス封入作業施工中。870g封入致しました

1Fスリムダクト新規取付完了

1Fクーラー室内機新規取付完了

1Fクーラー室外機新規取付完了

外構化粧柱の補修

意匠性を重視したデザインの建物です。この化粧柱は、鉄骨をベニヤ板で覆いモルタル仕上げしてあります。防水モルタルであっても、左官仕上げの状態で撥水機能はほとんどありません。防水シートも張ってないので、何らかの原因でクラックが生ずると浸水し、下地のベニヤ板が腐食します。
今回は、腐食したベニヤ板を交換し、樹脂モルタルにてのクラック補修。モルタルの質感を生かす塗装をいたしました。
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このように、塗装だけでは対応できない事例がたくさんあります。高級な塗料を使ったから、耐久性があるという単純なものではないのです。
美観・撥水性も大事ですが、何よりも下地の補修・調整が建物の寿命を延ばすことになります。
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化粧柱状況(モルタル)経年劣化によるカビ・藻等の発生が見られました。防水効果も期待出来ない為、浸水等が懸念されます。浸水が進みますと、下地のベニヤ板も腐食します。樹脂モルタルを塗り込む事からの塗装工程が大切です。
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化粧柱状況(モルタル)カビの発生写真です。
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化粧柱状況(モルタル)下地ベニヤ板の腐食が原因と思われる陥没が見られました。ここまでの破損では塗装工事だけで直す事は無理です。下地を造ってもらう為の大工工事が必要と判断致しました。
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化粧柱状況(モルタル)経年劣化によるクラック(割れ・ヒビ等)の発生が見られました。コーキング処理では塞ぎきれないと考えております。樹脂モルタルを注入して割れを塞ぐ事がとても大切です。その後、塗装にて仕上げる事をお奨め致します。
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化粧柱状況(モルタル)こちらの写真は、水はけの良くない箇所にカビ等が発生したものです。柱部にも防カビ・防藻効果に期待が持てる塗料選択が大切であると判断致しました。
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化粧柱状況(モルタル)全体的なカビの発生写真です。
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化粧柱(モルタル)陥没部分撤去完了。陥没したモルタルと腐食したベニヤを撤去致しました。
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化粧柱(モルタル)下地作成完了。新規ベニヤにて下地を製作致しました。
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化粧柱(モルタル)左官工事完了写真。
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化粧柱(モルタル)クラック補修施工中。ミラクファンドKC-1000使用。
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化粧柱(モルタル)クラック補修施工中。ミラクファンドKC-1000使用。
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化粧柱(モルタル)下塗り施工中。ミラクファンドKC-1000使用。
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化粧柱(モルタル)下塗り施工中。ミラクファンドKC-1000使用。
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化粧柱(モルタル)プライマー施工中。水性ミラクシーラー・エコ使用。
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化粧柱(モルタル)プライマー施工中。水性ミラクシーラーエコ使用。
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化粧柱(モルタル)中塗り施工中。アートフレッシュ・AC-3010使用。
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化粧柱(モルタル)上塗り施工中。アートフレッシュ・AC-3010使用。

外壁遮熱塗装

この事例はオール遮熱塗装、つまり屋根に加えて外壁も遮熱塗装しています。
田口塗装では、昨今の猛暑対策として、以前より屋根遮熱塗装をお勧めしてきました。いまでは屋根の遮熱塗装を標準仕様としています。
しかし外壁の遮熱塗装を特にお勧めすることは、していません。夏の日射による室内気温への影響は、屋根と開口部すなわち窓からが大半です。
屋根と窓の遮熱対策は効果がありますが、外壁に遮熱塗装しても、さほどの効果は期待できないことが理由です。
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このたびの事案は、写真でおわかりのように、日差しの当たる方角の開口部(窓)が、あまりないお宅です。この構造では、日射による外壁面の蓄熱が予想されますので、今回の外壁遮熱塗装ご提案となりました。
田口塗装は、案件の立地条件・構造等を総合的に勘案して、最適な塗装をご提案しています。
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外壁高圧洗浄施工中
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クラック部補修施工中。カチオンタイト使用
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クラック補修部プライマー処理施工中。水性ミラクシーラー・エコ使用
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外壁(モルタル)下塗り施工中。水性クールテクトサーフ使用
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外壁(モルタル)中塗り施工中。水性クールテクトSi・CT-406使用
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外壁(モルタル)上塗り施工中。水性クールテクトSi・CT-406使用
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外壁遮熱塗装工事完了。使用材料は、建築用塗料で国内トップのエスケー化研様が、住宅外壁用に開発した遮熱塗料です。もちろん専用の下塗り材を使用しています。